2025年9月22日
乳がんは早期診断と治療後の再発リスク評価が臨床的に極めて重要な領域です。ctDNAを用いた(分子残存病変:MRD)モニタリングはこのギャップを埋める有望な手段として急速に注目されていましたが、乳がんでは感度が高くないことが問題でした。
従来のtumor-informed ctDNAアッセイは腫瘍組織に存在する数十個の体細胞変異を捕捉することで感度を上げてきましたが、変異の選択や背景ノイズ、エラー耐性の面で制約がありました。一方、構造多型(Structural Variant: SV)は腫瘍特異性が高く、ゲノム不安定性に起因する大規模な再構成として存在し、PCRやシーケンシングの一塩基誤差の影響を受けにくい性質を持ちます。Pathlight™は腫瘍組織の全ゲノムシーケンス(WGS)から個々の患者特有のSVを同定し、それを腫瘍の「指紋」としてデジタルPCRで血中のctDNAにおいて高感度に追跡する個別化アプローチを採用しています1。
世界的に血中バイオマーカーを用いたMRD市場は拡大傾向にあり、2023年時点での市場規模は数十億ドル規模、2030年代初頭にはさらに倍増予測という分析も出ています2。主要プレイヤーにはNatera(Signatera™)、Guardant Health(Guardant Reveal™)、Exact Sciences(Oncodetect™)らが含まれ、各社とも早期再発検出や治療反応モニタリングを目指す技術競争を展開しています。
メディケア償還された固形がんに対するMRD検査の一覧
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検査名 |
企業 |
検査タイプ |
適応 |
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Signatera™ |
Natera |
Tumor-informed |
大腸がん、乳がん、筋層浸潤性膀胱がん、非小細胞肺がん、卵巣がん、免疫療法モニタリング(固形がん) |
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Guardant Reveal™ |
Guardant Health |
Tumor-naïve |
大腸がん |
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Oncodetect™ Molecular Residual Disease Test |
Exact Sciences |
Tumor-informed |
大腸がん |
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NavDx®(TTMV-HPV DNA Blood Test) |
Naveris |
Tumor-naïve |
HPV関連中咽頭がん |
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RaDaR™ |
NeoGenomics |
Tumor-informed |
乳がん |