RAS-GTP阻害薬 daraxonrasibが転移性膵管腺がんを対象とした第3相試験RASolute 302にて有意に無増悪生存期間及び全生存期間を延長

 

2026420

 

要点サマリー

·         Revolution Medicinesは、前治療歴を有する転移性膵管腺がんを対象としたdaraxonrasibの第3相試験RASolute 302のトップライン結果を公表。

·         ITT集団における全生存期間(OS)中央値はdaraxonrasib13.2か月、薬物療法群6.7か月、ハザード比0.40p<0.0001と有意な改善。

 

疾患背景

膵がん最も予後不良ながん種の一つで、米国では年間約6万人が新規診断され、約5万人が死亡しています。膵がんの主要な組織型である膵管腺がん(Pancreatic ductal adenocarcinoma: PDAC)のうち約80%の患者が進行/転移段階で診断され、転移性PDAC5年生存率は約3%にとどまります。PDACは主要がん種の中で最もRAS依存性が高く、90%以上の症例でRAS変異(主にKRAS)を認めますが、これまでKRAS変異PDACに対する分子標的薬は臨床応用されていません。

 

技術背景:RAS(ON)多選択的阻害という新規パラダイム

既存のKRAS G12C阻害薬(sotorasibadagrasib)は不活性型(GDP結合型)KRAS G12Cを共有結合で標的化しますが、KRAS変異がん全体の約15%しかカバーできません。DaraxonrasibRMC-6236サイクロフィリンAcyclophilin A: CYPA)と結合した後、活性型(GTP結合型)RASに高親和性で結合する三元複合体(tri-complex)を形成し、RAS-エフェクター(RAFPI3K等)相互作用を立体的に阻害する非共有結合性・可逆的・汎選択的RASON)阻害薬です。Revolution Medicinesの同シリーズ前臨床化合物RMC-7977を用いた検討では、KRASNRASHRASの野生型及び主要オンコジェニック変異(G12XG13XQ61X)に対し広範な活性を示し、KRAS G12X変異細胞株のEC50中央値は2.40 nM、膵・大腸・肺がんのxenograftモデル15例中9例(60%)で腫瘍縮小が確認されています1